住宅ローン控除の受け方|いつ・何をする?流れ5ステップ【中古マンション】
住宅ローン控除(年末のローン残高の0.7%が税金から戻る制度)は、待っていても自動では受けられません。物件選びの段階から2年目以降まで、「いつ・何をするか」が決まっています。この記事では、中古マンションを買う人向けに、控除の受け方を時系列の5ステップで整理します。
- 1物件選びで対象か確認新耐震・登記簿40㎡以上・省エネ性能の有無
- 2引渡しから6ヶ月以内に入居住民票も新住所へ
- 3書類を集める残高証明書・登記事項証明書・売買契約書など
- 4入居翌年に確定申告(初年度のみ)還付申告は1月1日から提出できる
- 52年目以降は年末調整控除証明書+残高証明書を勤務先に出すだけ
全体の流れ:受け方は5ステップ
まず全体像です。控除を受けるためにやることは、時期ごとに次の5つに分かれます。
| ステップ | 時期 | やること |
|---|---|---|
| 1. 対象か確認 | 物件選びの段階 | 控除の条件を満たす物件か確認する |
| 2. 入居 | 引渡し後6ヶ月以内 | 実際に住み始める(住民票も移す) |
| 3. 書類集め | 入居した年のうち〜年明け | 残高証明書・登記事項証明書などをそろえる |
| 4. 確定申告 | 入居した翌年の1〜3月 | 初年度だけ確定申告をする |
| 5. 年末調整 | 2年目以降の毎年秋〜冬 | 会社員は勤務先に書類を出すだけ |
ポイントは、手続きらしい手続きは「初年度の確定申告」1回だけということ。そこさえ乗り切れば、あとは毎年ほぼ自動で戻ってきます。
STEP1:物件選びの段階で「対象になる物件か」を確認する
控除の手続きは入居後ですが、勝負は物件選びの段階で半分決まっています。そもそも条件を満たさない物件を買ってしまうと、あとから何をしても控除は受けられないからです。
中古マンションでの主なチェックポイントは次のとおりです。
- 新耐震基準であること:登記上の建築日が1982年1月1日以降なら証明書なしでOKです
- 登記簿面積40㎡以上:チラシの面積(壁芯)ではなく登記簿の面積で判定されます。40㎡以上50㎡未満は合計所得1,000万円以下という条件付きです
- 合計所得2,000万円以下・返済期間10年以上のローンであること
長期優良住宅やZEH水準など省エネ性能が高い物件は、控除期間が10年→13年に伸び、借入限度額も2,000万円→3,500万円に拡大します(2026年入居から)。物件探しの段階で、認定や省エネ性能の証明書の有無を不動産会社に確認しておきましょう。
条件の詳細といくら戻るかの早見表は、中古マンションの住宅ローン控除の解説記事にまとめています。
STEP2:引渡しから6ヶ月以内に入居する
控除の条件のひとつに「取得から6ヶ月以内に入居し、控除を受ける年の12月31日まで住み続けていること」があります。引渡しを受けたら、リフォームなどで入居が大きく遅れないように注意しましょう。
入居したら住民票を新住所に移します。確定申告の際、新住所での本人確認情報が必要になります。住民票を移すタイミングは住所変更の手続きの記事で詳しく解説しています。
入居した「年」が控除のスタート地点です。12月末の引渡しで入居が年明けにずれると、控除の開始も1年後ろにずれます。年末の引渡しでは、入居日がどちらの年になるかを意識しておきましょう。
STEP3:入居した年のうちに書類を集め始める
初年度の確定申告でそろえる主な書類は次のとおりです。
| 書類 | 入手先 |
|---|---|
| 年末残高証明書 | ローンを借りた銀行から10〜1月頃に郵送 |
| 登記事項証明書 | 法務局(オンライン請求も可) |
| 売買契約書のコピー | 契約時に受け取ったもの |
| 源泉徴収票 | 勤務先(12月〜1月頃) |
| 本人確認書類(マイナンバー) | 手元のもの |
省エネ性能による上乗せを受ける場合は、認定通知書や性能の証明書も必要です。書類の詳細と集め方は確定申告の必要書類と手順の記事で解説しています。
事前審査から確定申告まで、必要書類と入手先・かかる時間をチェックリスト化した無料ツールがあります。
必要書類リストを見てみる →STEP4:入居した翌年に確定申告をする(初年度だけ)
入居した年の翌年に、確定申告で控除を申請します。
- 時期:確定申告の受付は2月16日〜3月15日ですが、還付だけの申告(会社員で税金が戻るだけの人)は翌年1月1日から提出できます。混雑前の1月がおすすめです
- 方法:国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で画面の案内に沿って入力し、e-Taxで送信するのが最も手軽です。スマホ+マイナンバーカードでも完結できます
- 還付:申告から1〜1.5ヶ月ほどで、指定口座に所得税の還付金が振り込まれます
所得税から引き切れない分は、翌年度の住民税から自動的に差し引かれます。住民税分について追加の手続きは不要です。
申告を忘れても慌てないでください。還付申告は入居翌年の1月1日から5年間さかのぼって提出できます。ただし放置した期間の分だけ戻りが遅れるので、気づいたら早めに申告しましょう。
STEP5:2年目以降は年末調整だけでOK
会社員の場合、2年目以降の控除は勤務先の年末調整で完結します。毎年秋〜冬に次の2つを勤務先に提出するだけです。
- 年末調整のための控除証明書:初年度の申告後、税務署からまとめて交付されます(電子交付も選べます)
- 年末残高証明書:毎年、銀行から郵送されてきます
自営業・フリーランスの方は、2年目以降も毎年の確定申告の中で控除を申請します。初年度と違って入力は残高の更新程度なので、手間は大きく減ります。
よくあるつまずきポイント
- ペアローンは2人それぞれ申告が必要:控除は1人ずつ受けるため、夫婦それぞれが初年度の確定申告を行います
- 繰上返済で返済期間が10年を切ると対象外に:期間短縮型の繰上返済をやりすぎて、当初からの返済期間が通算10年未満になると、その年以降の控除が受けられなくなります
- 転職・退職した年は要注意:年末調整を受けられなかった年は、自分で確定申告すれば控除を受けられます
- 控除額は「払った税金」が上限:年末残高×0.7%の満額が必ず戻るわけではなく、その年に納めた所得税(+住民税の一部)までしか戻りません
よくある質問
Q. 住宅ローン控除はいつから申請できますか?
A. 入居した年の翌年からです。還付だけの申告なら翌年1月1日から提出でき、2月16日を待つ必要はありません。申告を忘れていた場合も5年間はさかのぼって申告できます。
Q. 手続きは毎年必要ですか?
A. 確定申告が必要なのは初年度の1回だけです。2年目以降、会社員は税務署交付の控除証明書と銀行の残高証明書を年末調整で勤務先に出すだけで完結します。自営業の方は毎年の確定申告に含めて申請します。
Q. 何もしないと控除は受けられませんか?
A. 受けられません。住宅ローン控除は申告制で、初年度の確定申告をしない限り1円も戻りません。逆に言えば、初年度の申告さえ済ませれば、あとはほぼ自動で毎年続きます。